
|
|
赤ちゃんのお誕生をこころより祝福申し上げます。 何番目の赤ちゃんでしょうか。うれしくってわくわくしていらっしゃるでしょう。しかし、こんど初めての赤ちゃんだったら、ほんとにじょうずに育てられるかしら、と心配されていませんか。友だちや親類のひとが育児の話をすると、おもわず身を入れてきくし、雑誌や新聞に専門家の話が出ていると、一生けんめい読んでいることでしょう。 さて、赤ちゃんが生まれると、お医者さんや看護婦さんが、こうしなさい、ああしなさいと教えてくれますが、それをきいていると、なんとまあ、ややこしいことだという気になるかもしれません。母乳のことミルクのこと、沐浴のこと、いろんな予防注射のこと、いっぱい教えられるわけです。そこへもってきて、絶対母乳にしなければだめだという助産婦さんもいれば、無理しないでミルクも併用しながらやりなさいとか、そうかとおもうと、保健婦さんにはあまりだっこするのはいけないといわれたり、うんとだっこしてやりなさいといわれたり、お医者さんにはアトピーがあるとかないとか、本当に迷ってしまいます。 大切なことは、ひとのいうことを、気にしないことです。専門家のいうことも、いちいち気にすることはありません。あなたが常識で考えることが、いちばん正しいのです。あなたがこうしたほうがいい、とおもうことを土台にして、その上で、お医者さんの話をきくようにすれば、赤ちゃんを育てるということは、なにもややこしいことでもなんでもないのです。おむつを上手にあてるとか、ミルクを見事に作る、なんてことより、親としての愛情を素直に注ぐことのほうが、ずっとずっと大切なのです。はじめは、多少ぎこちなくても、だんだんと、おむつをかえてやったり、お風呂に入れてやったり、お乳をのませてやったり、あやしてやったりしているうちに、赤ちゃんは、じぶんとママやパパは一体のもの、というふうに感じるようになってきます。赤ちゃんをそう感じさせるのは、親だけです。世界中に、あなた以外にはいないのです。 いろんな育児法があります。しかし、意外かもしれませんが、結局は、両親が本能的にしてあげたいと思う方法が一番いいということになるのです。素直にのんびりと育てている親たちが一番上手にやっているのです。いらいらハラハラしながら、育児書どおりに一生けんめいやるより、少しくらいまちがっていたって、素直な気持ちで育てたほうがずっといいのです。親というのは、本をよんだり、講義をきいたりして、こどもの育て方をおぼえるのではありません。実は誰でも、自分が子どものときに、親からめんどうをみてもらった経験から、心の中に育児の基本をすでに自然に身につけているのです。また、子どものころのままごと遊びや人形の世話、兄弟の世話のなかで知らず知らずのうちに親になる練習をしていたのです。 |
|
|
|

|
あとは、じっさいに自分のこどもを育て、いろいろな経験をしながら、だんだんとおぼえていけばいいのです。お乳を飲ませたり、おむつをかえたり、お風呂にいれたり、ゲップをさせたり、そういうことが上手にできるようになり、赤ちゃんも満足そうに、機嫌よくしているのをみると、親のほうも親しみを感じるし、自信も愛情もうまれてきます。こんなふうに、親子のきずなや信頼感は、非常にはやい時期からできます。そして、今後も様々な状況で、心配したり苦労したり、安心したり喜んだりすることを、お子様と共有していけば、大きくなって反抗して、親を困らせる時期も、うまくのりこえていけるようになるのです。 はじめは親は誰しも、自分が子どもを育てるのだとおもっています。しかし、じっさい親になってみると、逆に子どもから教えられることがいっぱいあるのに気がついておどろきます。いいかえれば、親になるということは、あなたが一人前のおとなとして成長するために、大きく前進する、大事な一歩でもあるのです。今後たくさんの加護を授かわれ、健やかにはぐくまれることを祈り申し上げます。
|
|
|