| 理性の発達 |
| 我々人間は他の動物と同じように走ったり、食べたり、子どもを産み育てたりします。しかし他の動物にはない能力を持っています。それは言葉を使って社会性を営む能力、様々な感情の刺激に対しても動じることなく集中できる能力、読んだり書いたり計算する能力などです。これらの能力は理性ともいい、これによって人間は獣と全く違う生き物とされています。このような能力は産まれたばかりの赤ちゃんにはまだ現われていないませんが、しだいに成長するにつれ発達してきます。子どもたちは、もともと発育に伴ってこれらの能力が自然とそなわっていきますが、さらに周囲の働きかけによって適切な方向に発達していきます。それらの能力の発達過程に問題が生じ、社会的な生活をするための能力が損なわれるものを発達障害といいます。代表的なものとして自閉症スペクトラム、注意欠陥
/ 多動性障害、学習障害があげられます。 |
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| 自閉症スペクトラム |
| 自閉症スペクトラムとは対人社会性、対人コミュニケーション、想像力の発達障害をいいます。いわゆる自分を他人の立場になって考えることや、自分が現在いる空間や時間を別なところに置き換えるような思考、仮定をもとにシュミレーションし想像する思考の発達に遅れを認めます。これらによって集団行動や人と話し合うこと、冗談や比喩的表現を理解すること不得手とします。また現在の行為や思考にこだわりをしめし、周囲の状況を気にせず単純な行為を繰り返したり、突然周囲の人が理解できない言葉や奇声を発したりします。このこだわりのために自分の環境が普段と違うと大きな不安を感じます。また感覚についても普段から慣れているものとは異なる聴覚や視覚、触覚を感じると大きな驚きと恐怖をしめします。この障害においては言葉の発達の障害や知的障害をともなうことが多いのですが、それらを伴わないものもあり、アスペルガー症候群や高機能自閉症と分類されたりします。 |
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| 注意欠陥/
多動性障害とは |
| 注意欠陥 /
多動性障害とは、落ち着きがない、飽きっぽい、すぐ気が散る、忘れ物が多い、人の話をよく聞かない、乱暴などの特徴があります。これらの共通していることは感情のコントロールができないことです。すなわち我々は何かの仕事をしている時にでも常に、様々な感覚の入力があります。光、音、かゆみ、痛み、においなど。集中できる子は、これらの雑音にも惑わされることなく仕事を続けられます。しかし様々な感覚器からの情報を抑制できない子は、仕事は中途で投げ出して別なことを始めます。社会生活の集中することができないと忘れ物が多く、人の話を最後まで聞けません。また感情の抑制がきかないので、怒りっぽかったり乱暴であったりして、学校や保育園での先生やお友達との関係がうまくいきません。 |
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| 発達の個人差 |
| 子どもたちの発達には、個人差があります。子どもたちをすごしてみると、ませた子がいればおくてな子がいることに気づきます。さらにひとりひとりの子どもをよく見てみると、人間関係の形成、言葉、感情のコントロール、読んだり書いたりすること、計算することなどの発達が同程度ではなく不均一であることがわかります。ある子どもは4歳なのに読んだり書いたりすることは小学生並、そのくせ人間関係が上手ではないとか、とても言葉達者でひょうきんで人気者だけど、落ち着きがないとか。でも極端に逸脱していなければそれは個性になるのかもしれません。 |
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| 発達障害のボーダーラインと対応 |
| それでは発達の遅れがある子とふつうの子の間に境界線はあるのでしょうか。また遅れがあった場合、それは恒久的なものなのでしょうか。子どもたちの発達は日一日として止まることはありません。毎日のように進歩しているのです。昨日できなかったことも、翌日にはできるようになることがあります。また環境や働きかけによって進歩を促すことができます。ここからは障害で、ここからは正常であるといったような明確な境界はありませんし、翌日にはその子の発達のポイントは移動しているのです。我々は子どもたちが健やかに成育してくれるように、子どもたちがもつ能力を引き出せるような環境を提供し、健やかな発達を促せるような働きかけをしなければなりません。得意とする能力を伸ばしてやり、不得意とするところがあれば、対応を一段落としてやりゆっくりとわかりやすく具体的な説明をしてあげること。決して怒鳴ったり、力ずくで強要したりしないこと。卑下したり、ひやかしたりしないこと。よいことはたくさん褒めてあげて、自信をつけさせてあげること。このようにしていけば、次第に子どもは適切な方向に発達していくとされています。持っている能力が引き出せなかったりすることで、将来社会的活動に支障が生じるようなことがあっては、その子にとって大変な不幸です。子どもの心身の健康を願わない親はいません。ですから我々も含めて子どもの成育に携わる分野の者は、子どもの特性を理解して発達の状況について解析し、環境も含めてその子に適切な子育ての提案をしております。そしてお子様がよりたくましく、やさしく育っていただくことを願っております。 |