| 蕁麻疹とは |
| 尋麻疹は膨疹、すなわち紅斑を伴う一過性、限局性の皮膚の浮腫が病的に出没する疾患で、多くは痒みを伴います。皮膚ないし粘膜の深部を中心とした限局性浮腫を生じるものがあり、それらは特に血管性浮腫と呼ばれています。2005年、日本皮膚科学会より「尋麻疹・血管性浮腫の治療ガイドライン」が発表され、治療の視点に立った新しい病型分類とともに検査治療の基本が示されました(日皮会誌115:703-715,2005)。 |

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| 尋麻疹・血管性浮腫の病態 |
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皮膚マスト細胞から遊離されたヒスタミンを始めとする化学伝達物質が血管の拡張(紅斑)と血漿成分の漏出(膨疹)を生じ、また知覚神経を刺激して痒みを生じます。マスト細胞の活性化機序としては抗原特異的IgEを介した1型(即時型)アレルギーが広く知られていますが、日常診療で遭遇する尋麻疹において、1型アレルギーによると診断し得るものは数%以下と少なく、直接的な原因を特定できない症例は多いようです。慢性尋麻疹の一部の症例ではIgEまたはIgE受容体に対する自己抗体がマスト細胞を活性化し、また詳細な機序は不明ではあるものの、感染、疲労、ストレスなど、種々の因子が尋麻疹の病態に関与し得るとされています。 |
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| 診断 |
| 多くは病歴と皮疹の性状に基づいて診断することができます。尋麻疹は大きく\x{fffd}@特発性の尋麻疹、\x{fffd}A特定刺激ないし負荷により皮疹を誘発することができる葬麻疹、\x{fffd}B特殊な葬麻疹または尋麻疹類似疾患の3群に分けることができます(表1)。臨床的に1型アレルギー(抗原特異的IgEの証明)が疑われる場合、血管性浮腫で補体第1成分阻害因子の活性低下が疑われる場合(C3,C4,C1阻害因子の測定など)、および尋麻疹以外の合併症ないし基礎疾患が疑われる場合(非定型的な尋麻疹および尋麻疹以外の身体所見に注意)を除き、むやみに検査を行うことは慎まねばならないとされています。 |
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| 治療 |
| 蕁麻疹の治療の基本は原因・悪化因子の除去・回避と、ヒスタミンHl受容体拮抗薬を中心とした薬物療法です。病型により重点を置くべき治療内容と期待できる効果の大きさが異なるので、正しい病型診断と重症度の判定が大切とされています。基本的に皮疹を誘発することができる毒麻疹では原因・悪化因子の除去・回避が中心であるのに対し、特発性の尋麻疹では対症的な薬物療法が中心となります。薬物療法ではいずれかの1剤が奏効しない場合は多剤への変更、増量を試みます。特発性蕁麻疹の症状はステロイド剤により抑制されることが多いが、使用に際しては症状制御の必要性、副作用、および期待しえる有効性の兼ね合いを考慮されます。 |
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| 「表」蕁麻疹の主たる病型と特徴 |
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| 1.特発性蕁麻疹 |
毎日のように繰り返して症状が現れる。医療機関での蕁麻疹では最も高頻度。 ・急性蕁麻疹:発症して1ヵ月以内のもの。しばしば細菌感染やウィルス感染と関連す る。小児に多い。 ・慢性蕁麻疹:発症して1ヵ月以上経過したもの。原因が特定できないものが多い。一 部の症例ではIgEまたはIgE受容体に対する自己抗体が検出される。 |
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| 2..特定の刺激ないし負荷により皮疹を誘発することができる蕁麻疹 |
特定負荷が加わったときに症状が現れる。誘発により生命の危険に陥ることがある。 ・外来抗原によるアレルギー性蕁麻疹:プリックテスト、RAST法などの\x{fffd}T型アレルギーテ ストにより過敏性が証明できる。医療機関を受診する蕁麻疹では数%以下。 ・食物依存性運動誘発アナフィラキシー:特定食物摂取後に運動負荷が加わることにより 生じる。 ・外来物質による非アレルギー性の蕁麻疹:造影剤、豚肉、さば、タケノコなどによる。 ・不耐性による蕁麻疹:抗炎症剤、人工着色料、防腐剤などによる。 ・物理的蕁麻疹:機械的摩擦、寒冷、温熱、圧迫、または水との接触で誘発される。 ・コリン性蕁麻疹:発汗刺激に伴い小豆大までの膨疹と大小の紅斑が出現する。 |
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| 3.特殊な蕁麻疹または蕁麻疹類似疾患 |
・血管性浮腫:口唇、眼瞼に好発。一度出現すると2,3日持続することが多い。 補体第1成分阻害因子の機能不全のことがある。 ・蕁麻疹様血管炎:蕁麻疹によく似た血管炎。個々の発疹が24時間以上持続し、 消退後に色素沈着、落屑などを残す。 ・振動蕁麻疹:振動に誘発される皮膚深部の浮腫。 ・色素性蕁麻疹(肥満細胞症)のダリエ徴候:皮疹部を擦過することにより膨疹を生じる。 |
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