病児保育室「きりん」・児童発達支援室「麒麟児」

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病児保育室とは

乳幼児健康支援一時預かり事業(以下、病児保育)とは、子どもがありふれた病気に罹患し、その病状は入院を必要とするほどではなく、家庭で充分療養できる程度であるが、保育所に通園するのは望ましくない時に、その病児を専門に預かる病児保育室において、保育、看護、医療に関わる専門スタッフの協力のもとで、その療養を保障しようとする事業のことです。
病児保育施設により、疾病に罹患した子どもが、無理なく治癒し、通常の保育園への復帰を促すことができます。

なぜなら、病児保育室内において医療、看護、保育、栄養などの専門スタッフが病児と関わることにより、病児が日常生活に戻るための支障となっている問題点を明らかにできるからです。
そしてその施設内で適切な看護や保育を実践するばかりでなく、保護者に専門的アドバイスをすることで、家庭での管理へ橋渡しできます。
このことにより子どもの病気の回復を促し、罹病期間を短縮させることができるのです。
また、共働きの両親においては、就業の中断を最小限にして、特に若い女性の社会進出や雇用の拡大に寄与できるとされています。

子どもをとりまく現況

昨今の子どもをとりまく状況は、少子化、核家族、子育て環境の多様性であると思います。
少子化のため子育ての経験が少なく、核家族のため家庭の中に相談する人がいない両親が増えています。
また、子どもが養育される環境も多様化しているようです。
一人親の子、両親は仕事で祖父母に世話されている子、早くから集団保育される子、逆に保育園に行かない子は近所に子どもがいないため、同世代の子どもと接することが少なくなっています。
一方、親は自分の子どもが病気になった時に、状態を把握することや対応することに慣れていなかったり、その時養育を支援してくれる人がいないことに不安を感じているようです。
こうした状況により、若い夫婦は自分の子どもが病気になった時に生じる精神的経済的負担を乗り越えることに危惧を感じているのです。
そして第一子の養育の過程での育児不安や、家庭内や職場内での育児に関する苦労の蓄積は、第二子、第三子を産もうとする意欲を低下させ、さらに少子化に拍車をかけているとされています。

子どもを預けている保育機関とかかりつけの医療機関の任務

こうしたことの解決は一朝一夕にはいかないでしょうが、若いご両親に子育ての負担をすべて負わせないで、社会が軽減するようなシステムを提供することが大切です。
まず簡単にできることは、保育機関や子ども専門の医療機関が、子どもを持つ家庭に対して身近にサポートすることです。特に子どもが病気の時、安全にサポートできれば、ご両親の負担や心配は軽減します。夜間や休日でもある程度診療してくれる「かかりつけ」の小児科の病院や、少しくらい熱があっても預かってくれる保育所、またその保育所が「かかりつけ」の小児科の病院と連絡がとれるように日頃から親密な関係であれば、ご両親にとっては心強いでしょう。
さらに病院に各保育所と連携がとれる病児保育室が併設されていれば、最良です。
家庭と一緒に保育機関や医療機関が子どもに対して共通の認識を持って、子育てに携わることが可能になれば、ご両親の肉体的、精神的、経済的負担も軽減します。
そうすれば、家庭での子育ても余裕を持って安心して、そして楽しむことができると思うのです。

病児保育室の目的

入院するほどではないが、保育園に通園させるまでにはまだ病状が回復していない、本来であれば家庭での安静を必要とする病気の子ども、あるいは病気回復期の子どもを対象とした預かり施設。
子どもの病気により両親の就業の中断を最小限にするばかりではなく、保育士、看護師、医師がその子どもの回復を促す保育や看護を施すことで、家庭でのケア、通常の保育園での生活への橋渡しすることを目的といたします。
また何らかの障がいがあり、医療的な看護が必要な子(医療的ケア児)の体調が悪い際にもスタッフが対応いたします。

病児保育室「きりん」

病児保育室「きりん」

病児保育室「きりん」は平成18年5月8日にオープンしました。
子育て支援のお役に立ちたいと考えております。
現在、病児保育「きりん」の定員は6人で、部屋は3室です。
そのうち1室は出入り口、トイレが専用になっていて、高密度へパフィルターによる大型空気清浄機を設置して陰圧換気が施されることによって、完全に感染症を隔離でき、完全に感染症を隔離できる部屋になっています。
また保育スタッフは、常勤5人、非常勤1人で、その中には医療保育専門士1人、病児保育専門士1人が勤務していて、さらに看護師は朝の受け入れ時と症状の重い児の入室時は常駐とすることで、病児に対する専門性が高い保育看護を実践しています。

平成31年(令和元年)から病児保育事業とは別に、施設長が青森県の医療的ケア児コーディネーターを務めていることから、病児保育スタッフが医療的ケア児についても対応することになりました。

病児保育室を年度(該当年4月~該当翌年3月)において初めてご利用なさるお子様については、市と「きりん」の登録票と連絡票が必要です。
2回目以後については、市と「きりん」利用申込書のみになります。
病児保育や病後児保育は、利用前にかかりつけ医に受診して、利用することの許可が必要です。

児童発達支援室「麒麟児」

児童発達支援室「麒麟児」は、医療的ケア児や障害児が医療的ケアを施しながら日常生活における基本的動作を習得し、及び集団生活に適応することができるよう、障害児等の身体及び精神の状況並びにその置かれている環境に応じて適切かつ効果的な指導及び訓練を行います。
青森県指定児童発達支援の実施施設として、地域との結び付きを重視し、保護者の所在する市町村、他の指定障害児通所支援事業者、障害児相談支援事業者、指定特定相談支援事業者、指定障害児入所施設その他福祉サービス又は保健医療サービスを提供する者(以下「障害児通所支援事業者等」という。)との密接な連携に努め、障害児の支援に最大限の努力をいたします。

「きりん」という名前のわけ

「きりん」という名前のわけ

きりん(麒麟)とは、体は鹿、尾は牛、ひづめは馬、額は狼、角が一本生えているという古代中国の想像上の動物です。
中国では聖人が出て良い政治を行うと、麒麟が現れるという言い伝えがあり、幼い頃から天才的な才知・技芸を発揮し、将来が有望とされる少年を「麒麟児」と持て囃していました。すなわち治世が安定し文化や教育が発展すると、優れた才能を持ち、将来大物になると期待される子ども(麒麟児)が育まれるということでしょうか。
本来子どもはご両親だけのものではなく、社会全体の財産です。
ですから子育てをご両親だけの負担にするのではなく、社会がそれを支えることは当然です。
当クリニックも将来社会に貢献してくれる子どもたち(麒麟)が健やかに成育されることに少しでもお役に立ちたいと考えています。
アフリカの草原のキリン(ジラフ【giraffe】)をキリンというのは日本だけのようです。
日本人がジラフの奇妙な姿(とっても大きな馬のような、鹿のような、派手な模様をもつ動物)を初めて見た時、架空の動物である麒麟の名があてはめられたのだと云われています。
当保育室では、「お母さんやお父さんのお迎えを、首を長くして待ってますよ。」という意味合いもあります。